注文住宅を建てる際には、ワンフロアで広くゆったりとした住まいを実現できる平屋に憧れを持っている人は多いのではないでしょうか。昔ながらの家に多い印象がありますが、近年、デザイン性に優れた平屋を建てる人が増えています。そこで今回は、注文住宅で平屋を建てるメリットやデメリットをご紹介します。
そもそも平屋とはどんな家?
平屋とは、階段がなく2階や3階を設けないワンフロアの家です。充分な部屋数を確保するためには、土地の広さが必要です。木造の昔ながらの家のイメージがありますが、最近では若い世代の間でも平屋を検討する人が増えています。まだまだ一般的ではないものの、シンプルな暮らしが流行する中で注目が集まっているのです。
階段や上の階を支える柱や壁が不要な分、間取りの自由度が高く、天井高を充分に確保できるため、開放的な住まいを実現できるのも人気の理由のひとつといえます。一方で、平屋住宅は土地の広さを確保する必要があるため、都心部などで見かることが少ないかもしれません。
また、建築にかかる費用は、延べ床面積によっても異なりますが、1,000〜2,000万円ほどが相場でしょう。2階建や3階建の場合には必要な材料や施工が不要な分、費用を抑えられるところもあります。しかし、基礎工事や屋根の工事など平屋だからこそコストが上がる施工箇所もあります。
平屋の施工実績が多い施工会社であれば、ノウハウが備わっていることから、予算や希望を聞いてもらいやすいかもしれません。シンプルなつくりを心がけるなど工夫をするとよいでしょう。
平屋の注文住宅を建てるメリット
平屋の注文住宅は多くのメリットがあります。住みたい地域やライフスタイルを考慮することで、快適な暮らしを実現できます。必要な要素を取り入れられるように間取りを考えましょう。
■生活動線の効率化がはかれる
1階のみの間取りなので、家事がしやすく、生活動線の効率化が実現できます。洗濯物を干すために2階のベランダまで運ぶこともなく、階段掃除もなくなります。ワンフロアのみの掃除であれば、掃除機をかける時の負担も減らせます。
■コミュニケーション
室内を移動する際には、必ずリビングを通る間取りにしておくと、家族のコミュニケーションを取れる時間を増やせます。すべての部屋が1階のスペースにあるので、人の気配も感じやすく、子どもが大きくなって、生活のスタイルが親と異なる場合にも顔を合わせやすくなります。
■耐震性能の向上と間取りの自由度
建物の高さが低く、2階部分がないことで安定した構造が実現できるので、耐震性能が向上します。壁や柱について、2階部分を支える分が不要となるため間取りの自由度が高いのも魅力です。
■メンテナンスのしやすさ
家に住み始めた後のメンテナンスは、長く住み続けるために必要です。外壁の修繕をする際には2階部分がない平屋の場合には、高さのある足場が不要であるため、費用を抑えられます。
■バリアフリー
子どもやお年寄りにとって、階段の登り降りは転落などのリスクが伴います。平屋の住宅であれば、ワンフロアでそういった心配がなくバリアフリー化を実現できます。2世帯住宅で平屋を選択する人も増えています。
平屋の注文住宅を建てるデメリット
住み心地のよさを実現できる平家の家ですが、デメリットもあります。建てる前に知っておくことで、費用や設備について追加するところや不要な項目をなくすために役立ちます。完成した後に、住みにくさを感じることがないようにしましょう。
■敷地の広さが必要
2階や3階部分をなくして同じような部屋数を確保したい場合には、2倍の敷地の広さが必要です。広い敷地である場合にも、敷地面積に対して建物を建設してもよい広さの割合が決まっているため、住みたいエリアの建ぺい率を確認する必要があります。
■建築費用が多くかかる
平屋を建設する場合には、基礎部分の工事の範囲が広くなります。屋根の面積も2階建てにした場合と比較すると2倍となります。基礎工事と屋根の工事は費用が多くかかる部分であるため、坪単価が上がることになるでしょう。
■間取りに注意が必要
広い土地に部屋数を確保した平屋を建てた場合、窓に面していない部屋があると日当たりや風通しの悪さを感じるかもしれません。天井に窓を設置したり、コの字型の間取りにしたりするなどの工夫が必要です。
■防犯面で工夫が必要
すべての居住空間が1階なので、エクステリアの構造はとても重要となります。目隠しとなる塀の設置や庭を利用してプライバシーが守られる空間づくりが必要です。また、防犯カメラの設置やセキュリティ対策を万全にしておくと防犯面でも安心でしょう。
平屋の住宅は、日本で古くからある家のイメージがありますが、開放感があり生活導線の効率化がはかれることから近年注目を集めています。シンプルな暮らしの実現や、家族とのコミュニケーションのしやすさと老後の暮らしやすさを考えた設計が人気です。一方で土地の広さを確保する必要があり、セキュリティ面でも注意が必要です。
平屋の施工実績のある業者に依頼をすると希望をかなえやすいかもしれません。平屋のメリットや注意すべき点を知って注文住宅を建てる際の参考にしてください。